全日本ISB1000鈴鹿2&4参戦!! 十分な手応えと収穫いっぱいの13位!! update:2009.5.31



















鈴鹿2&4は予選13位、決勝14位と純プライベーターにおいては最上位と充実感あるレース結果を残すことができました。

現在の全日本JSB1000クラスは、ファクトリーチームの直接参戦はありませんが、ファクトリー製マシンを走らせる
サテライトチームや、メーカーとの関係が強いチームなどが多く、
アサカワスピードのような純プライベートチームが上位に結果を残すことは非常に難しい状況の中で、
この成績はライダーの波多野祐樹選手の頑張りや成長もあり、大いに誇れるものだと考えています。

参戦決定から1ヵ月あまりという短期間でマシンを仕上げ、ノントラブル無転倒で終えられたのも、
ご協賛/協力してくださったスポンサー各位やお客さまなど、
多くの方々の支援・応援があったからで、あたためでお礼申し上げます。

今回の模様は月刊「別冊モーターサイクリスト」誌6月号(5月15日発売)や
月刊「ロードライダー」誌7月号・プロフェッショナルプレス浅川邦夫編(5月23日発売)などでも掲載されています。


●鈴鹿まで
富士1日、鈴鹿事前2日のテスト走行を行いました。
富士はエンジンは組み上がったばかりの、シェイクダウン。
基本的なチェックと16.5インチスリックタイヤ(ピレリの市販タイヤ)での姿勢や挙動を確認。
この日は波多野選手と共に浅川もライディングしました。
鈴鹿はレース参加者向けの事前テストで2日間(といっても走行枠は半日もないのですが)。
ここでは波多野選手が本番に向けマシンの姿勢を詰めることが目的。
特にリアショックのバネレートは予想以上に高くなり、『全日本クラスのライダーの走りは違う』、という実感でした。
ラップタイムは走る度に上がっていくのですが、タイムを詰めるのではなく、
あくまで決勝でベストタイムを出せるように準備していくのが目的。
ズズキ系サテライトチーム/プライベーターの中では速く、手応えは十分でした。

●予選
今シーズンからJSB1000の予選は4輪F1などでお馴染みのノックアウト方式!
Q1=上位24台(予選は50台出走)、Q2=上位12台、Q1=12台で上位グリッド決定となりました。

波多野選手はQ1を2分13秒275で15位でQ2へ(トップは2分7秒298の秋吉耕佑選手=TSRホンダ)。
Q2ではタイプアップして2分12秒078でいたが、0.346秒差で惜しくも13番手となりQ1へは進めませんでした。
あくまで決勝でベストタイムを出すのが目的なので、チームに焦りはなく、
サスなどのセッティングをどう詰めていくかを検討するには、手応えのある予選結果でした。

結局ポールポジションは秋吉選手で、Q1で2分6秒488という驚異的なコースレコードをマーク。

秋吉選手の速さは全日本ではすでに別格で、長い間スズキで、そして今年からホンダでMotoGPマシンのテストを担当。
マシンやタイヤへの理解度やセットアップ、そして確実な速さに磨きがかかったという感じでした。

予選は上位30台がタイムで正式通過し、残り14台が主催者推薦で決勝出走を認められ、グリッドは44台。

●決勝
終始、#32今野由樹選手(MotoMapサプライ・スズキGSX-R・K9・BS)、
#77武石伸也選手(トリックスター・カワサキZX-10R・BS)との好バトル。

#17波多野選手がリードする展開でしたが最後にタイヤが耐え切れず、この2台に突かれて14位。

よくよく見れば、ここから上はファクトリーマシンを使ったサテライトチーム
(ファクトリーは直接参戦していませんがやメーカー系有力チームばかりで、タイヤもスペシャルばかり。)

アサカワスピードのような、市販パーツだけで組み、
自チームですべてマシン作りを行っている純プライベーターはいません。

また、’07STDエンジンを修理し、STDカム、面研、ポーティングなどぐらいのエンジンは、思いの他速く、
最高速はファクトリー製ホンダCBRと数km/hの違いでしかありませんでした。
これは波多野選手も同等ラップタイムのマシンより「速い!」と喜んでました。

これら総合的な内容から見て、波多野選手の速さや頑張りは相当なもので、
ライダーもチームも、多くの方々から称賛されました。


●終えて
今後、このような形で全日本のトップカテゴリーに参戦するいかどうかは分かりませんが、
マシン作り、全日本ライダーの走りなどから、多くの収穫があり、フィードバックできるものは多くありました。
今後の一般整備・チューニング、そして菅生6耐などのレース参戦には、
この経験が大いに生かせるものだと確信を得ました。

また、波多野選手の今後の活躍にも注目してください。
速さに加え、彼の的確なマシンへの理解やセットアップの支持は、本当に素晴らしいものがあります。
良い体制で臨めば、もっともっと伸びるはずです。

また、「ロードライダー」誌のコラムや、このホームページのTUNIG DAIARYでは
随時ここから得たものを報告していきますの、ご期待ください。


本当にご協力、応援ありがとうございました。


                                         アサカワスピード代表 浅川邦夫





ライダー:波多野祐樹(はたの ゆうき)1983年4月27日、東京生まれ
     2007年JSB1000ランキング16位
     2008年JSB1000ランキング13位

監督/チーフメカニック:浅川邦夫
メカニック:小寺慎太郎
ヘルパー:お客さまの赤柄さんご夫妻、藤井さん、奥脇さん、島森さんなど

●マシンの主な仕様
マシン:スズキGSX-R1000K7(’07年型白車)
タイヤ:ピレリ(前後16.5インチ。市販)
ホイール:JBマグタン(水谷勝選手のM2レーシングからお借りしました)
Fブレーキキャリパー/ディスク:ブレンボラジアルモノブロック/ブレンボ
Rブレーキキャリパー/ディスク:ブレンボ/スズキKITフローティング
Fフォーク:SHOWAφ45mm(JSB用)
三つ又:ウイリー削り出しスペシャル
Rショック:クァンタム(ハイパコスプリング)
エンジンオイル:EPL
チェーン:DID
マフラー:ヨシムラ・ステンレス/カーボン
ECU:ヨシムラEMプロ
ボルト:βチタニウム・ロクヨンチタン
塗装:西村コーティング/大武さん(お客さま)/ペティ・ペインターズ・パラダイス
前後アクスル:βチタニウム・ニッケルクロモリ削り出しスペシャル
この他、多くの協賛・協力をいただきました。